金曜日
東京出張。期初なので親睦も兼ねてチームで焼肉食べた。
#shibuyacrossing
東京には情報量が多い。
土曜日
秋田新幹線に乗って秋田、そこから五能線「リゾートしらかみ」で弘前まで向かう。
リゾートしらかみのチケット取り間違えて2人並びの席が取れず、どうしようかと思っていたけど、行きの新幹線の中でえきねっとに何度かアクセスしたら並びの席に変更できた。ボックス席、結果的に貸し切りだった。
日本海と雪。
弘前についたらすっかり夜で雨も降ってたけど雪灯籠祭りの会場まで向かった。
桜の枝に積もった雪にピンクの照明をあてて「冬の桜」に見立ててるんだけど、雨のせいで枝の雪が流れてしまい、景観としては今ひとつ。足元もぬかるんで歩きづらくてちょっとつらくなってきてしまった。(その分、寒くなかったのはよかった)でも、ゴアテックスの冬用ブーツを奮発しててよかった。
これは、毎年陸自によって作られている大雪像。今年は市役所を模したものなのだけど、像というより建造物というレベル。ここにプロジェクションマッピングするイベントが夜は開かれてる。立体構造を歪めるような錯視があったりして面白い。
雨の中、完全にエネルギーが切れたので地元の適当な居酒屋で食事した後、連れの行きつけのお店に行った。飲んでるうちになんか気分よくなってきてカラオケ歌ったりお店のお姉さんに胸揉まれたりした。私、だいたいパーソナルスペース広めで、他人からそういう踏み込まれ方するタイプではないので新鮮。地方特有の人の暖かさというか、都会が冷たいと言われるアレの逆だと思う。まあ、こういう距離感に慣れてたら冷たいかも知れない。気分良くなりすぎて飲みすぎた。
飲みすぎたのはこれ。地元のお酒「華一風」の特別純米。ラベルデザイン変わって可愛くなってました。お姉さんごのみの優しくフルーティなお酒なので現行のピンクなラベルのほうがイメージに合う。
日曜日
雨は止んで雪がちらほら降ってる。ホテルの朝食がすごく豪華。和洋さまざま50酒類ぐらいは料理があったような。1日目は洋食よりのメニューをチョイスした。連れは和食派。
天気もよくなってきたので、昨夜の公園リベンジ。お城と雪灯籠を見て、露天で味噌だれおでんと熱燗。ビニールシートに覆われた飲食スペースに陣取った。寒い日におでんと熱燗って生きる幸せのすべてが詰まっているような気がする。「じょっぱり」は超辛口の日本酒で、手にもってられないぐらい熱いし、口を近づけたら揮発したアルコールでむせる。懐かしい味。飲んでるうちにおいしく感じるようになって、気持ちが温まってニコニコする。その後は吹雪の中を歩いた。昨夜と違って昼間で見通しも効くし、足元も雪が固まって歩きやすい。そうなると寒ければ寒いほど楽しくなってきてしまって、最高の体験だった。
その後、博物館で津軽家のおひなさまの企画展見て、藤田記念庭園の中の「匠館」で、アップルパイとコーヒーで休憩した。洋館の喫茶室が素敵だと聞いてたんだけど、貸し切りで残念。
弘前は学都で若い人が多いからか、けっこうおしゃれなお店も多い。名産のりんごを使ったアップルパイはいろいろなお店が独自なのを出してて食べ比べできるし、あと、シードルにガレットとかそういうブルターニュ風のマリアージュが推されてる。ガレットは今回は食べられなかったので、今度行った時に食べたい。ニッカのシードルは弘前工場で作ってるらしい。
夜、ちょうど古い友人が弘前に出張に来て出張先でインフルエンザに罹患して、一応完治したけど奥さんから帰宅許可が出ないってしょんぼりしていたので快気祝い?に飲んだ。山梨の人と新潟の人と京都の人が10年ぶり以上に再会して弘前で合流して飲んでるのおかしい。
「わたみ」って名前の店だけど、すごい普通に郷土料理の店だから和民と関係ない別の店なのかと思ったら、ワタミグループだった。一時期のブラックなイメージを払底しようと頑張ってるのか、最近ワタミグループいい店多いと思う。観光客が過不足なく地元の味を味わえる、よくできた業態。
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ここで飲んで美味しかったの、陸奥八仙の赤ラベルとISARIBIの生原酒 だったかな?
月曜日
連れは夕方から東京でライブを見るというので、朝早めに新幹線に乗って東京まで出ることにしてた。
朝食は当初考えた通り和食中心にしたけど、何故かスクランブルエッグとオムレツの中間のようなものが異常においしくて、連れは「貝焼き味噌文化があるから卵の火の通し方がうまいのでは」と言ってた。単純に卵が美味しいのではないだろうかとも思う。それとは別に貝焼き味噌もメニューにあったけど、保温器に入ってる姿が「貝焼き味噌」という名称からイメージする食べ物とかけ離れすぎてると思う。ゆるいスクランブルエッグ状のものから貝要素も味噌要素も感じられない。本来は、ホタテの貝殻にお出汁を入れてお味噌で調味して火にかける→煮えたら溶き卵とネギ入れてゆるく固めるというもので、昨夜のわたみでは具として貝が入ってたけど地元民は「具を入れるのは邪道」とのこと。ホテルのも具は入ってなかった。
弘前から同じ電車に乗ってきた若い女の子2人連れ(高校生か大学生か)が車内見渡して「ない?」「ない。」と会話してて、たぶん「空いてる席ない?」「空いてないね」ということみたいだった。津軽弁、こういう感じで非常に高速。高齢者の場合は出て来る単語自体もすでに方言なので、外部から来た人には何を言っているのかわからないのだけれども、彼女らの場合は、さほどイントネーションが違うこともなくて単語は聞き取れる。しかし (若い女の子特有の高度な共感性能もあるのかもしれないけども)省略されている部分がとても多くて文脈がわからないのであった。せばだばまいねびょん。
新幹線に乗ってる間にいつのまにか景色からは雪がなくなり、昼ごろに浅草について、おのぼりさん丸出しな感じで浅草寺に参拝して、全体に厳し目だと言われてるおみくじを引いた。連れは末小吉、私は末吉。案の定厳し目。旅行は道中よくないことが起こるってあったので、ここまでの行程は旅行ではなく「ちょっとそこまでデートした」ということに気持ちの中で置き換えた。総行程2500kmぐらいだけど。
ちょうど通りがかったニュー浅草本店にシュッと入ってホッピーとモツ煮やハムカツなどキメてたら、またすごい幸せな気持ちになってきた。朝は弘前で雪を眺めてたのに、昼には浅草の喧騒の中でお酒飲んでる。私は夕方には新幹線に乗って京都に戻るから、週末の小旅行というより、まるで余裕のない日程で日本に観光に来た海外の人みたいだ。スーパーエクスプレスはすごい。
そんなこんなで気持ち的にはしっかり充電されて帰ってきたんだけど、連れと別れて帰りののぞみに乗るころにはすっかりエネルギーが切れてしまっていて、連休最終日なので人が多すぎる上に、駅ナカでバレンタインフェアなんかやってて電車と関係なく行列が発生していてかなり最悪だった。とにかく東京、人多すぎると思う。京都に住んでて駅あたりにいくと「人多すぎる」って思うけど、東京はその比ではない。
車内にはワインとミートパイ持ち込んでぼんやりしてたら京都についた。
今回、一人の道中で聞いてた音楽。
ケイシくんの歌詞、英語で書いてたころからずっと好き。資質に恵まれたボーカリストが自分で表現することを前提に言葉を選んで構築してる詩だと思う。英語で書いてたから韻を踏む技術があって、その上で日本語の言葉を発声するときにどう音が流れるかを熟知していて、その上で、言葉のもつ意味のほうの色を注意深く重ねているのがわかる。音楽のための歌詞として完成度が高い。シンガーソングライターでないとできない領域のことだと思う。思うに、渋谷系好きだけど小沢健二にそこまではまらないの、小沢健二の歌詞って散文であってなんか歌詞じゃないように感じるところがあって、そこを解釈してあれこれいうのってあまりポップミュージックという体験じゃないと思うからかも。んで「アーティスト」として追っかけるにはちょっと思想が違う。
お酒もそうだけど、飲んでて一瞬の香りとか味が通り抜けて、あとはふわっと酔っ払って楽しい、みたいのが良い。でも、人によってはそれ以上のストーリーを求めて、美味しいという純粋な体験じゃない部分でお酒を楽しむ趣味もあるから、それはものごとの楽しみ方全体にそういう傾向があるというものなのかな。私の場合、音楽は難しいこと抜きで、綺麗な色とか良い香りとかそういうものを五感で感じたいほうだということかも。
道中で読んでた本。
どうせスノッブな文学者がうんちくを語る本かと思ってたけど、立ち読みしたら、とてもたくさんお酒を飲むひとの気配がしたので、ついでに何冊か同じ著者の飲み歩きものを買って読んだら、用もなく汽車に乗っていろんな街にいって特段観光をするでもなくずっとお酒飲んでいるすばらしい本だった。自分も行ったことのある街の話が出てきて面白かった。えらいおじさんの小難しい本はよくわからないけど、お酒とか食べ物の話ならだいたいわかる。酒田にまた行きたい。用もなく電車に乗っていろんな街にいって特段観光をするでもなくお酒飲みたい。読み終わったので連れに本はあげた。