こういうの、明確な年齢での足切りがあることって意外となくて多くは体の衰えによるタイムリミットで、もちろんそれには個人差というのもある。
自分は50過ぎても脂っこいものがバリバリに食べられる(てきめんに太るようにはなったが)良く言われるような目や耳の衰えとかも一概には言えないなあと思いつつ、案外罠だったなと思ってることがある。
数年前から「和のお稽古」みたいなのに目覚めて、茶道初めて着付けも習ってみたのだけれども、これが中年過ぎてからだとけっこうきつい。
まず、和室でずっと正座するのがきつい、正座から立ち上がるのがきつい、あらゆる所作が、加齢してからいきなり始めると大変なのだ。着物も背中に手を回すと痛みが走る年になると帯を整えるだけで「もう無理」ってなるし、さらには来てお出かけするのだって日頃は使わない筋肉を使う。
日本の伝統的ライフスタイルってとにかく柔軟な体と強靭なインナーマッスルが前提になってる。和式トイレなんて最たるもので、なまった体にはあのスタイルで体をぶらさずに静止し排便するのはけっこうたいへんだ。
なので、「かっこいい老人になるために中年すぎたら和の趣味を始めよう」なんて思ってる人がいたら、できるだけ早く始めることを本当におすすめしたい。イメージ以上に体力を使うから。
逆にいうと、早く始めることで体は鍛えられ、かっこいい中年からかっこいい老人になれる可能性もあるし。
ほんと、昔の日本人が強かったってのはわかるわ。強くないと普通に生活できないんだもの。