咎もなく誉もない日々

そうでない人がそれなりにやっていくブログ

弘前と函館で初音ミクのスタンプラリーを回ってきた(新潟から弘前編)

私はJGC会員なので、いつも新潟に行くときはJALを使ってる。だけど、今回はANAのタイムセールがあったので、往路はANAにした。
ANAの伊丹-新潟便でDHC8-Q400が飛んでて、新潟空港で見かけるたびに「可愛い…あれに乗りたい…」って思ってたのだ。
www.anawings.co.jp
清少納言先輩も言う通り小さいものはだいたい可愛い。雪の中をプロペラ機で飛ぶの絶対いい。 
実際良かった。なんかミシミシいいながら飛ぶのが最高。

木曜の午後なのに伊丹空港はかなり混んでて荷物を預けるのも保安検査場も551蓬莱も大行列だった。いつもは優先カウンター使ってるけど、なんか久しぶりに並んだ。

あんまり考えずに飛行機予約したけど、到着時間的にちょうどK氏の終業時間に近く、終業後ダッシュで空港直行してもらうことになった。拾ってもらったその足で北に向かう。
日が変わるぐらいまで走って道中のどこかで泊まり、翌朝に矢立ハイツで朝風呂に入るなりして昼に弘前というタイムテーブル。

どこで泊まろうかという話になってふと気が付いた。秋田の呑助の聖地である永楽食堂は日が変わるまで営業してる。経路案内で時間を調べたところ、道の状態が良いなど条件が重なれば、かろうじてラストオーダーに間に合うということがわかった。
うまいことラストオーダーに間に合えば永楽食堂で「半マスくれっちゃ」って言って酒飲んで、その後、秋田市街のどっかで泊まればいいのではないか。宿の空きがなければそのへんの雑な連れ込みにでも泊まればよい。こういう時にカップルの体裁になってる二人連れは便利。

ちなみに「半マスくれっちゃ」とは、K氏の実家が近隣の呑助の集会場のようになっており、近所のおっさんが夜中に酒をねだりに「半マスくれっちゃ」と訪れていたという逸話に由来する。

途中、除雪通行止めになりそうなところをギリギリ2分差ですり抜けるなど、さまざまなピンチがありつつもRTAに成功して11時15分ごろ秋田に到着した。永楽食堂はその時間でもほぼ満席で、かろうじて相席前提で座ることができた。

tabelog.com

さすがに飲み比べセット1回頼むぐらいで終わりかなと思ったところ、ラストオーダー時間になっても全然客足は減らず、さらに先代のお母さんが訪れてとっておきのお酒を振る舞っていただけるなどのイベントが発生した。お母さんが言うにはこの時間でも盛況なのは近所のお店で働く人が閉店後に飲みに来たりするからとのこと。結果閉店時間もかなりオーバーし半マスどころではない量の酒を飲んだ。どうしても食べたかったセリのサラダなど食べ物も堪能した。

やはりビジネスホテルの空きがなかったので、雪の中を川反のほうまで歩いて雑な連れ込みに泊まった。
泊まった部屋、トイレに入るとビバルディの四季が大音量で鳴り響く謎の構造で、おそらく「音姫」的なものだと思うんだけど、音成分が排泄音と違いすぎてて大音量のわりに何ら音をカモフラージュできていないのが印象的だった。で、ドリンク無料サービスと朝ごはん無料サービスがあって、無料で缶ビールとおつまみのフライドポテトももらえたしまともな朝食が出た。衛生面考えるとお風呂場とか使いたくないけど、ほんとに寝るだけならコスパ良いと思う。

翌朝は出発までゆっくりしてしまったため、弘前での予定である弘南鉄道モニターツアーの集合時間のことを考えると、大館矢立ハイツでの我々の持ち時間は45分ぐらいとなった。私はわりとカラスの行水だし軽く温まったら出るから30分でいいよといったものの、いざ入ると雪道を歩き疲れた体が溶けてしまい出られない。結局時間ギリギリまで湯の中にいた。
ohdate-yatate.com

矢立ハイツの泉質はむちゃくちゃ濃くて鉄分が多く、完全に不透明なので入る時に底がわからず緊張感がある。で、冬場は露天がアホみたいに寒く、内風呂から露天風呂までの道は凍結している。完全に冷えた足を湯につけるのもまた緊張感がある。緊張と緩和の交互浴みたいな感じで疲労回復力がものすごい。温泉力が高度すぎる。入湯料400円の泉質ではない。洛西エミナースの温泉なんて2800円もするんだよ。

前に行った時ロッカーが壊れて大変だったけど、脱衣所は新しくなっており、ロッカーの鍵が回らない時は無理をせずにスタッフを呼んでくれという張り紙があった。無理に回して壊したやつがいるからだと思われる。申し訳なし。

矢立ハイツを出て弘前まではわりとすぐだけど、駅前の駐車場が満車というトラップがあった。けっこう焦ったもののモニターツアーの時間にはどうにか間に合った。
今回のモニターツアーは、弘南鉄道のお座敷列車がリニューアルして本格運行する前のテスト的な企画で、リニューアル後初乗りということになる。

konantetsudo.jp

平日なのにわりと盛況で、客層は地元の中高年女性グループがメインだった。司会のお姉さんのトークもなんかほのぼのしてベタなギャグを繰り出したりで、なんかお昼のラジオっぽい。

受付でウェルカムドリンクのクラフトシードルをもらい、車内で津軽あかつきの会謹製のお弁当が配られた。

津軽あかつきの会とは地元の主婦が津軽の伝承料理の味を継承していくという集まりで、弘南鉄道の石川駅近くの民家で農家レストランとして活動されている。前から気になっていたけど4人からの予約なので難しいなあと思ってたのだった。今回、ツアーに手拍子で申し込んだのも、電車3割、食事7割ぐらいのモチベーションだった。お弁当なかったらたぶん申し込んでない。

実際にいただくと、この本を読んでイメージしていたよりも薄味で上品で滋味豊かだった。春から秋に塩蔵したものを冬に食べるということだし、もともと津軽料理=しょっぱいというイメージがあったし、もっとがつんとした味つけを想像していたけれども、伝承料理はかなり塩抜きをしっかりするものなのだということがわかった。ドライシードルとも合うけど日本酒と合わせたかった。

今回は落語家さんがゲストで、車内に高座が設置されている。平賀の駅で停車時間が取られてそこで往復でそれぞれ一席ずつの落語をするという趣向。落語は江戸前というか立川流だなあという感じでちょっとNFMだった。なんかああいう自虐しつつ観客いじる枕とか、早口でこすっからい感じの人が出てくる噺がちょっと苦手なのだ。私は関西人だからフワっとした枕から始まるおっとりしたアホとか品のいいご隠居とか出てくるのんびりした噺のほうが好きみたいなセンスがあるのは仕方ない。

ここでどういう接続詞でつなぐのが適切なのかわからない事柄ではあるけど、乗客に司会のお姉さんの知りあいであるバーの店主がいて、その人がマイク振られて「どちらから来られました?」「森から来ました」「お名前は?」「いちごの妖精です」って言ってたのがむっちゃ面白かった。遠目にシソンヌじろうみたいに見えたから、シークレットゲストとして呼ばれてバーの店主という設定でコントやってるのかと思ったら、ガチでバーの店主だったらしい。笑いのプロより奇妙な一般人のほうがツボに入ることは往々にしてある。
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フィンランド語で「いちご」って店名。本当にいちごの妖精だった。面白そうな店だけど我々の弘前ルーティンはすでにかなり固定していて2泊以上しない限り加えるのは難しい気がする。

ここまで時間きっちりスケジューリングした旅は初めてなのでなんか新鮮な感じ。
ツアーの後は弘前駅でスタンプラリーのシートになってる地図を購入し、ついにゲーム開始である。続きます。

これは弘南鉄道からの車窓風景と、かっこいいラッセル車の様子です。