咎もなく誉もない日々

そうでない人がそれなりにやっていくブログ

佐渡で路線バスに乗りまくってきた(実行編 2日目)

起床

置きたら夜明けだった。

小木港の朝

夜に温泉に入った時、この温泉の朝は絶対きれいだと思ったので、早起きして朝一番に再入浴した。予想通り、美しい空と海を見ながら最高の温泉に入るのは最高だった。
食事は7時半からで、乗る予定のバスの時間が早いのでチェックインを先に済ませて素早く食べた。
ごくオーソドックスな旅館の朝ごはんで安心感ある。ヨーグルトに添えられたはちみつの味が濃くて美味しかった。

朝日のまぶしい食堂

おぎの湯前 7時53分発の宿根木線

バス停がちょうど前にあるので便利

時刻表によると、宿根木線は9人乗りのジャンボタクシー運行って書いてあったけど、普通のバスが来た。
この後は途中で小木線に乗り換えて真野方面に向かう予定で、小木線とは並行してる区間があるから乗り換えポイントはいくつかある。「羽茂商工会前」かなと思ってたけど、なんとなく「一の宮入口」で降りた。

しかし、降りたバス停を見ると小木線の時刻表が書かれていない。
道の向かい側にもバス停は見当たらない。佐渡のバスって片方車線にしかバス停がないことがあるんだけど、そういうバス停には両方車線の時刻表がまとまっていて時刻表に向かい車線であることが書かれている。時刻表にないということはここには来ない。NAVITIMEで調べてみたら、小木線のとまる停留所までは300mぐらい離れているということがわかり、歩いて向かった。乗り換え時間がタイトじゃなくて助かった。

結構離れている

でも、ここからちょっとテンポが狂い始めたように思う。

小木線に乗り換え、新町集落センター前 8時58分着からの尾畑酒造で試飲と買い物

旅程をたててる途中、ちょうど友達が佐渡でバスに乗りまくる旅行をやっていて(特に事前に打ち合わせしたわけではなく全くの偶然)その時に、乗り換えのタイミングで尾畑酒造に寄ってるのを見かけて「なにこれ絶対ええやつやん」って思って予定を変更した。当初の予定では佐和田まで行く予定だった。

朝から人がダメになるシステム

開店直後だけどお客さんはいっぱい入ってて賑わってる。
旅行クーポン券が三千円分あったので、ここの買い物で使おうとおもってたんだけど、出すのを忘れて普通にPayPayで支払ってしまった。
乗り換えの都合上、滞在時間は30分弱ぐらいしかないから勢いよく試飲を済ませ、お手洗いをお借りしたのだが、そこにスマホを忘れた。気が付いた他のお客さんが追いかけてきてくれたから良かったけれど、気づかなかったら大変なことになるところだった。

新町学校前 9時34分発 南線でトキの森公園 9時59分着

南線もわりと栄えている地域を通るし、お客さんはちゃんと乗ってる。ラッピングカーだった。
途中、怨恨ありそうな落書きで埋め尽くされた家があり、ぎょっとする。調べてみたら「畑野のバキの家」と言われてそれなりに話題になっているようだった。

トキの森公園 観光

日頃は間近でトキが見られたりするみたいだけど、今回、鳥インフルエンザ対策のため見学できるゾーンが限られていた。建物の中から望遠鏡でトキを眺めたりした。トキ、今では700羽ぐらいになっていて、観測スポットではそれなりに見えるらしい。人に対してはとても警戒心が強いけど車は見慣れてるからそこまで警戒しないとのこと。

見学できるところが限られていたこともあって時間が余ったので、ベンチに座ってスマホ見てたら「明日搭乗予定の飛行機のご案内」みたいなメールが届いた。
今回の旅程は、今日新潟に戻って明日は酒田で一泊する予定になっていたから帰りの飛行機は明後日のはずなので、ちょう焦る。
予約を確認したら、日程間違えて予約していることが判明した。

一瞬、連れに謝って明日帰るという方向も検討したけど、やっぱりそれはないのでキャンセルして飛行機の予約を取り直すことにしたが、直前だと当然正規価格だし高い。
株主割引でと思ったが、株主券は自宅にある。
しょうがないので仲間内のSlackで「JAL株お持ちの方おられませんかー」って聞いたら元同僚が持ってたのでコードを教えてもらって使った。なんとか許容範囲の予算に収まった。こういう不測の事態のために株主券は持ち歩く必要があるのだなと学んだ。

トキの森公園 11時14分発 両津港11時42分着 (のはずだった)

そういうこともあって、すっかり頭に血が登ってしまってたため、やって来たバスに「両津港」って書いてあるから迷いなく乗ったら、佐和田BS行きで逆方向であることに気付く。乗るはずだったバスの一つ前の便だった。
気づいてものすごく慌てて、次のバス停で本来のバスに乗り直そうとしたけれど、バス停の直前でバスとちょうどすれ違って絶望に打ちひしがれる。
次善の策を考えるべく乗換案内をポチポチしたが、後で考えると何のことはない。あのバスは県道65号線から佐渡縦貫線に入ってトキの森公園に向かい、また同じ道を通って県道65号線に戻ってくるのだ。だからバスが佐渡縦貫線を走ってるうちにどこかの停留所で降りて、そのまま待って戻ってきた次のバスに乗れば完全にリルートできたのだけど、それに気づいたときにはバスはすでに新穂の交差点を曲がって佐和田方面に向かってしまっていた。傷が深くならないうちにと慌てて降りたのが根本寺前。

いろいろ調べたものの、このままバス移動だと両津港から内海府線に乗り換えるのは不可能。仕方がないので、おけさタクシーを召喚して港まで向かってもらった。このタクシー代でチケットは使い切ることになった。帳尻が合ったような合わなかったような…

両津港

おみやげをいろいろ見るが、日本酒は尾畑酒造で買ってあるからここで買うものは決まってる。待合室のお土産屋さんで売られている「とち餅」。日持ちしないので島外だと売られていないし通販もないので現地でしか食べられない。佐渡に行くなら絶対食べてほしい。

佐渡金山のおじさんTシャツをここで探したけれどデザインがいまいちなのしかなかったので断念。

佐渡汽船両津港 12時19分発の内海府線で 虫崎着13:01 「メレパレカイコ」でランチ

島の北東の海岸、内海府は佐渡の中でも何もない地域になる。

海岸沿いに半農半漁の集落が点在してて山に張り付くように棚田があるみたいな感じ。過疎が進んでおり有名な観光スポットもないので基本的に人がいない。
休日のバスはオンデマンド運行になり事前予約が必要。平日はまだ定期運行してるけど、乗客は少ない。

今回、本当は島を一周したいと考えていたのだけれど、島の北端の部分でバス路線が接続していない。内海府線は休日だけ海府線の終点である岩谷口バス停まで走っているのだけれど、平日はその1つ手前の真更川までしか行かない。
この真更川と岩谷口の間に何があるかというと、サイクリストにはよく知られている「Z坂(跳坂)」という難所があるのだ。1車線だし狭いし普通に考えてこんなところあんまりバスでは走りたくなさそう。
www.pref.niigata.lg.jp

なので一周するのを諦めた。

次善の策として、途中のどこかでランチでもと思ったけれど、内海府には本当に選択肢がない。

トビシマカンゾウの群生地として有名な大野亀に「大野亀ロッジ」というレストランがあるからそこにしようかと思っていた。しかし、そもそもバスの本数が少なくて行きに乗ったバスが折り返してきたのに乗って帰るという行程になるから、大野亀まで行ってしまうとランチの時間が少ない。45分というのは腰を落ち着けるには微妙。行ってごはんをかきこんでバスに飛び乗って帰るコースになってしまいそうだなと思って悩んでいた。

そんな時、地図を眺めてたら、ちょうど始点と終点の中間ぐらいにレストランマークがついているのを発見したのだ。今年、「虫崎」という集落に新しくオープンした店で、オーシャンビューと「島薬膳」が売りになっている。
home.tsuku2.jp
いかにもよさそうなので、ここにお邪魔することにした。バスの時間としてもちょうどよくて1時間半ぐらい滞在できる。
SNSの投稿を見る感じ、臨時休業や貸し切りなどあり営業日や時間がちょっと安定してないように見えたので、念のためフェイスブックで予約していった。この立地、現地まで行って開いてなかった時のリカバリーの効かなさレベルがすごいし。

今日は本当にここまでいろいろあったけど、両津港からのバスに無事乗車できて、海沿いを走ると気分も晴れてきた。
昨日に引き続いて波がほとんどないベタベタの凪。晩秋の佐渡にはもうちょっと寒々しい感じを想像していたので多少気分が出ないけれど、快適なのは良いことである。なんとバスの運転手さんが降車ボタンに気づかず行き過ぎるというハプニングがあったが、無事虫崎についた。

これが島薬膳ランチ

トキブリュワリーのビールと、島薬膳ランチをいただく。これもまた体に優しい感じのお味で、窓際の席はポカポカ暖かく、海は美しく、ビールはおいしく、良さしかなかった。

最後のバス、そしてフェリーで新潟へ

虫崎バス停。佐渡のバスはこういう感じで待合室がある停留所が多い。

帰りは行きと同じバス、同じ運転手さんだったので、両津港で降りる時に行きの失敗について謝罪された。「正直虫崎で待ってる時にちゃんと停まってくれるか心配でした(笑)」とか和やかな感じで降りた。2日間使った2dayパスともお別れ。
フェリーターミナルでは乗客がいっぱいいて列をなしており、2日間あんなに人がいなかったのにいったいこの人達はどこにいたのだろうと不思議になった。

旅の終わり

乗船後、しばらくデッキで鳥を見ていたが、日が暮れて寒くなったので船内に入った。佐渡名産なのに今回の旅程では柿を食べなかったので売店で売られていた冷凍柿を買おうと思ったけど、結局忘れていた。

また佐渡に行きたい。今度は尖閣湾の遊覧船乗ったり、大野亀のカンゾウ見たりしたいな。それと、金山のTシャツも買わなくちゃ。