着方教室の初級コース終わった
8回のコースで、えっちらおっちら一人で着て名古屋帯結んでお出かけするぐらいまではできるようになった。
修了式がホテルで開催されたので、母にもらった黒地に赤でエジプト壁画模様の大島紬に渋めの金彩で手書き模様が入ったテラコッタ色の帯締めて亀甲模様の絞りの羽織。家から自分で着て行って3級のお免状をもらった。ついでにその日はK氏がユーフォの定演見に来てたから一緒に出かけて近所の居酒屋で飲んだ。着物で飲みに行くと案外サービスしてもらえるメリットがある。
会場はホテルだし季節的にも春だから淡い紫の江戸小紋に花鳥文の帯で行くつもりだったんだけど、実際着てみると柔らかものは難しい。肉をひろってすごい太って見える(そして、ここ数ヶ月で明らかに太ったという現実もある)。それでも大島は体のライン拾わなくてすっきり着れることがわかった。あとで話を聞くとこの着物、母が知り合いのお茶の先生から頂いたものらしくその人はどうやら体型が私と近いみたい。前幅広めで裾が広がりにくいのですごく安心感あった。良い柄だし。
とてもかっこいい柄の紬みて pic.twitter.com/0k9hbZu7V4
— 𝕣𝕚𝕜𝕠✮ (@riko) 2022年3月26日
できるだけ週1度ぐらいは着るようにして、出かける用がなくても着物で一人晩酌してる。
もうちょっときれいに着たいんで中級に進むことにした。5月からまた8回コース。
はじめての展示会
正確にいうと「なにか買うつもりで参加するはじめての展示会」である。過去、「誘われるままに会場に行ったけど弁当だけ食べて帰ってきた回」ならある。
今回、単衣と薄物を何枚か母から譲り受けたけど、わりと濃色が多い。でも夏場に濃色ばっかりというのもなんか暑苦しいし、淡い色の気軽に着れる小紋を作ろうと思ってた。ちょうど目玉商品として正絹絽小紋が仕立て上がり30000円という特価。それと合わせて洗える爽竹の夏襦袢も作って帰ろうと思ってお予算5万円を想定していた…のだが、博多の夏帯で素敵なのがあってそれもエイヤと買ってしまった。あんまりスカスカの夏帯じゃないから単衣でもいけるし、博多帯は締めやすいし、柄も自分の好みぴったりだし汎用性があると思ったから、妥当な買い物だったとは思っている。
しかし、実際のところ、広い会場に大量に着物や帯があっても私が気に入るのは少ないもので、謎のラメ、謎の刺繍、謎の柄、なんでそんな超絶技巧と上質な素材で幼稚園カバンみたいな柄の帯、ニトリのカーテンみたいな柄の着物を作るのかと思ってしまう。
呉服屋のおっさんとのやりとりは、ニコニコ笑いながらバシバシ断れると楽しい。私はわりと楽しい。出されたものに対して「うーん正直なんかピンとこないです」「音楽性違う感じです」とか言ってると、好みっぽいやつをドンドコ出してきてくれて面白い。最終的に「家から石油出たら買いますわ(お嬢様ではなく関西のおっさんのイントネーションで)」って言って帰ってきたけど、冷静に考えるとうちはマンションだし敷地から石油でたらたぶん建て直しだし自分の利益にはならないよね。
見せてもらった中で一点、異常な美しさの染め大島があって、作家の先生が自ら工程を説明してくれたけど、なんというかグレーに見える地が光の加減で淡いブルーにも見える日本海側の空の色みたいなそういう色だった。そこに全体に白い唐草模様が折りだされている。実際に羽織らせてもらうと自分の肌色にすごい映えるのはわかるが、同時に自分のライフスタイルに合わないってのもわかる。紬だからあくまでおしゃれ着、あらたまった場所には着ていけない。しかも単衣で誂えたら着れる期間は一年のうちで2-3ヶ月、淡色は汚れも怖い。結果、着ていく場所がない。しかし、あんなに自分に似合うものって世界にそんなにないんじゃないかってレベルだった。着ていく場所ないけど。
こう書いてると、けっこう自分はあれに執着あったなっていうことに気付かされる、そういう後を引くタイプの物欲ってあんまりなかったから新鮮。どうも布そのものの美しさに弱いと思う。ちなみに、確か値引き後で48万円、最終的にはいろいろ抱き合わせで実質25万ぐらいまで提示されたけど、ちょっとそれはねえ…。