すでに何回か書いてるけど、昨年の末に茶道教室に通うことになり、練習はお着物のほうが良かろうということもあり、また、実家に和装資本がたくさんあり着ないと無駄になるということもあり、呉服屋さん(というか貸衣装とか色々多角経営してる会社らしい)のやっている着方教室に通いだした。
1回ワンコイン、8回のおけいこで名古屋帯でカジュアル着物が着られるようになるというカリキュラムで、現時点で残り2回。あと1回名古屋帯で自装するおけいこがあり、あと1回は修了試験ということになってる。30分で着れたら合格とのこと。できるんかな?
よく聞く話で、呉服屋母体の教室は販売目的でやってるから買え買えプッシュしてきて体験悪いとかいうのがあるけど、自分の通ってる教室はそこまで押しは強くなく、8回のレッスンのうちでTPO・コーディネイトのお勉強として展示会が1回。直接的な販売ではなく和装人口を増やして文化を守るために教室をやっているということらしい。実際、担当の人がついていろいろなお品を見せてもらえるけれど買っても買わなくてもいい雰囲気ではあった。買わないと心に決めて「コーディネイトのお勉強」「実際にモノを触っていろいろな織物の特色を知る機会」と割り切れば別にそれでいい感じ。でも、一緒に受講してる人で伝票切ってるのも見かけたし、買わないと悪いと思う人もいそう。予算感としては江戸小紋お仕立て込で98000円(格安)、そこにたぶん20万ぐらいの帯とのセット…ぐらい?一昔まえにショッピングモールに入ってる呉服屋がひどい売り方してたけど、ああいうのに比べたら今後末永くお付き合いしていきたいという気持ちは伝わる感じで、モノの素性はいいと思う。変なのを売りつけたり無理なローンを組ませようということはない。
見てたらグラっとは来るけど、日頃、自分が自分へのご褒美的に買ってるコスメとか香水とかプチジュエリーと比べたら桁が違うわけだし、なんか金銭感覚が不穏な感じになる。冷静に考えるとハイブランドでお洋服買うのと同じぐらいの出費なんだから、そこは気持ちを引き締めていかないといけない。
教室では最初に肌着と帯と足袋がもらえて、その後も着物と帯、小物一式は無料レンタルなので手ぶらでレッスンには行ける。
でも、自分でも練習しないと覚えられそうにないし、最終的には自分で着てお出かけできるようにならないといけないわけだから、わりと早いうちに一通りの道具を揃えた。
浴衣着る時用のをすでに持ってた
- 腰紐
- 浴衣は2本あれば十分だと思うけど、着物は5本いる。木綿はゴロゴロするしナイロンはほどけやすいので買うならモスリンのが最適。
買った
- 洗える長襦袢
- 正絹のちゃんとしたのは実家にあるけれど、神経質に取り扱わなくて良いポリで練習しようと思った。
- リサイクルきものと帯・帯揚げ・帯締めセット
- 練習用に着倒すつもりでフルコーデ5000円弱の激安セットを入手した。着物は一応正絹、紫系の鮫小紋で好きな色味。ただし、胴裏は完全に黄変している。帯は濃い紫の秋草の柄でおそらくポリエステル。それに帯揚げ帯締めは淡いピンクで渋くなりすぎないようにコーディネイトされてる。全体に好みではあるけれども帯が明らかに秋用。まあ、外に着ていくには気が引けるが家ならば惜しげなく着れる。そしてこれが妙に似合う。
- その後、多少状態が良くわりと自分に合いそうなサイズのリサイクルきものと、若干格高めの名古屋帯と帯揚帯締めを買った。修了式で着ることを想定している。お茶のお稽古にも使えそうなもの。
- リサイクル着物、バイセルのオンラインショップがよかった。検索が充実してるし、状態もかなり正直に申告してるように感じた。
- 小物類いろいろ
- 伊達締め(浴衣用にはもってなくて100均のマジックテープ式骨盤サポーターで代用してたので2本買った)
- 帯板 (帯が曲がらないよう腹に入れる板。不自然で好きじゃない)
- 帯枕(帯の「お太鼓」部分を形作るためのパーツ。好きになれない)
- 衿芯(長襦袢の襟のところに入れて、衣紋がきちっと立ち上がるようにする。嫌い)
- もらった足袋が変なシワが出てダサいので、ちゃんとした足袋を買った
- 和装クリップ 大小いる。ちょっと高い。
- 腰の補正用パッド(これはあると良いと思った。反り腰の人は必須)
- 補正ブラ (フェリシモのフラットブラが安くて軽くて具合が良い。たぶんGカップぐらいまで対応できると思う)
- 草履
- 教室はお出かけを重視してて、着付けの練習をした後実際にそのへんを散歩したり近場のカフェで食事して立ち居振る舞いを教えてもらったりする。なので草履は初期段階で買う必要がある
- 雨の日でもいけるゴム底の安物を最初に買ったがたくさん歩くと疲れるので、その後、セールになってた菱屋カレンブロッソのカジュアルな草履を買った。カレンブロッソはちょっと高いが履きやすい。
- コート
- 実は、展示会で見せてもらった紋紗のコート地が非常に美しく、相当グラグラ来てたんだけども、仕立て込みでバーバリのトレンチ(新品)ぐらいのお値段なのでさすがに無理と思った。いくら紋紗のコートは3シーズン着れるっていっても月に1-2度ぐらいしか着ない和装コートと毎日着倒せるトレンチとだったら後者を取るでしょ。そしたら、リサイクルで似た色似た素材の道中着しかもしつけ付きの新古品というやつを発掘してしまったのだ。丈は長いけど詰める分には補正できるしと思ったのでつい買ってしまった。
- 羽織紐
- 手持ちの羽織に紐がなかったので、マグネット式のやつを買った
その他、実家経由で娘の家のたんすにある帯とか長着とかコートとか長襦袢をかなり強奪してきた。
特に不要不急だけど買った
- ポリの江戸小紋(黒とアイボリーの万筋)の着物
- やっぱり洗える系は気楽なのでお茶のお稽古用に。5000円しなかった。
- 麻雀牌の柄の半幅帯
- お茶の稽古で着るなら名古屋帯なんだし半幅は普段用なんだけど、なんか衝動買いしてしまった。趣味性の強い半幅帯が好きなのは致し方ないと思う。
フタを開けてみると、コロナで旅行に行けないし飲み会もないしコスメ熱もちょい冷め気味、という状況のバランスを取るかのような出費になってた。このタイミングでちょうどよかったとも言える。
教室の感想
思った以上に和気あいあいと楽しいのは良かった。ただし、呉服屋さんだから「上質なきものをきちんと着る」というのがゴールの教室だなって思う。初級の次は中級で、中級は袋帯での着付けを習うことになってる。結婚式などフォーマルな場でも自分で着付けできる、どこに行っても恥ずかしくないというのを目指しているのだと思う。自分はお茶のお稽古やお茶席のことを考えると、ある程度ちゃんとしないとといけないからニーズとして合致してる。でも、最近のニーズとして多いと思われる、リサイクル・アンティークや木綿・ウール・化繊の普段着をかわいい半幅帯で気楽に着たいという方向性ではない(そして、それを言い出せる雰囲気ではない)。それでも「2-3ヶ月のことと割り切って型通りの着付けを一通り習ったらそこからは自分流で着るわ」って話なら良い教室だと思う。
着物の押し売りはないし、無理に買わなくていいし、おうちに眠っている着物を着ましょうとは言われる。でも、あくまでちゃんとしたいいモノをできれば洗い張りして丈直しして着ることが推奨される感じ。そこをフルブッチして「フルレンタルでやっていくで!」「丈なんて多少合わなくても古びててもお母ちゃんのをそのまま着るで!」ってのは結構胆力いると思った。で、レンタル練習着のクオリティが結構悲しいから、結局は自分のを持ち込みたくなると思うし、修了式は自前のを着る。そしたら、先生に突っ込まれない程度にちゃんとしたコーディネイト一揃えはやっぱり必要。私はだいたい不良でケチだから自前でどうにかしよう、できれば安くあげようって思っちゃうけど、講師と仲良くなればなるほど「買いません!」「このままでいいです!」を貫くの厳しくなるかもなーなんてちょっと懸念している。中級までは行くつもりではいるけど、明日はどっちだ!