着付けを習い始めて、いろいろ着物入門みたいな本を読んでる。
実家にあった着物や帯をいくつか母が持たせてくれたり、娘のタンスに私のものとして入っているものがあったので、少しずつ着物と帯を揃えている。しかし、家にある帯が習った帯とは違う謎の帯で戸惑ってしまった。
教科書には帯の種類としてこういう感じの説明がある。
- 半幅帯=浴衣の時に締めるほそいやつ
- 名古屋帯=手先のところがちょっと縫ってある。一重太鼓で結ぶ。着装が簡単で基本的にはカジュアル用
- 袋帯=袋状になってて長い。二重太鼓で結ぶ。基本的にフォーマル用
でも、うちのはどれでもなくて、形は袋帯と同じで名古屋帯と比べると微妙に長いが素材も色もそんなにフォーマル感がない。質感や柄もみるからに簡素でいかにも「普段用です!」って主張してるし、実際、母は紬とか木綿、ウールの着物にこれを合わせていたと思う。
いろいろ調べて、これは「京袋帯」という物であるということを知った。そして家にあるカジュアル帯は全部それだった。
うちの母の着付けは着付け教室経由ではなく、若い頃から普通に日常的に着物を着る習慣があった。前世代からの流れで普通に着てるものなので大正後期にできた名古屋帯に馴染みがなく「長くてずっしり系のフォーマル帯と、短くて軽いカジュアル帯」って使い分けしかないのかも?と思った。名古屋帯は結びやすいけれど、帯としてのモノの魅力だけ考えるとプレーンな帯状のほうが美しいと思う。
とはいえ練習用にリサイクル名古屋帯も見繕っている。
リサイクル和服、江戸小紋とか色無地は同じクオリティでも紋がつくだけで格安で、しつけのついた未着用品が投げ売りされてる。紋がつくだけでいきなり前の持ち主の気配が出ちゃうし、蔦とかありふれたやつならいいけどレア紋は大変よね。ああいうの、お嫁入りの時に必需品として作ったけど一生着ないまま終活に入っちゃった人とかいるんだろうな。しつけがついた状態で裏地だけ変色しちゃってたりしてすごくもったいない。