咎もなく誉もない日々

そうでない人がそれなりにやっていくブログ

隠岐にいった(2度め)

去年JGC修行+退役前にSAABに乗るという目的で隠岐に行ったけど、その時は海鮮丼食べて港の周辺を散歩するだけで帰ってきた。でも、すごく好きな雰囲気の島なので一度ちゃんと泊まりたいと思っていた。

ところで、会社にJGC解脱組が増えたので、納会の翌日に伊丹のサクララウンジでビールを飲み、そこから三々五々日本全国に飛び立つオフ会をやろうという話がでてきた。最初は但馬で軽く温泉入ってカニ食べるかなと思ったけど、但馬便は午前なのでラウンジでまったりできない、それなら午後早めに隠岐便があるので隠岐にした。

これがオフ会の様子です。

しかし、飛行機を取ってから気づいたけど、隠岐は一人で観光に行くには結構難易度が高い気がする。特に冬場。

観光協会に問い合わせたところ、定期観光バスや乗り合いタクシー的なものは全部休み。遊覧船も休みで郷土資料館など閉まってる施設も多いとのこと。私の場合、マリンスポーツとか釣りとかそういう目的がなく、車にも乗らず、名所旧跡を巡って街で酒のんで宿で温泉入ってグダッとする、みたいな旅行スタイルだから、温泉宿もなく、中心街も飲食店が充実しているとは言えず、公共交通機関も貧弱な隠岐での旅程は立てづらい。

結局、景観と食事を重視し、島の西南の海岸沿いの宿「羽衣荘」さんに泊まることにした。ちょっと奮発して部屋はオーシャンビューにした。
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調べてみたら、路線バス使うとちょうどチェックインの時間に宿に着ける。路線バス乗れるだけでも私的には十分楽しいアクティヴィティと言って良い。そして、翌日は飛行機の時間まで軽く島のパワースポットでもまわってもらおうとタクシーを頼んだ。観光案内付き、2時間13000円はまあ良心的だと思う。ちょうど隠岐には壇鏡神社という滝が有名な神社がある。瀬織津姫命が祀られてる神社は好きな雰囲気のところが多いので期待。

隠岐の路線バスは、もともとは西郷港がバスターミナルだったところ、隠岐病院にターミナルを移してしまった。へき地の路線バスの利用目的といえばほとんどがお年寄りの病院通いなのだから、そこに特化していくのは非常に賢い。とはいえ、観光客からすると(普通は)利用しづらい。

実際には空港から西郷港についてしばらくすると病院行きのバスが来るし、病院から島内各地区に行くバスはそれに合わせて来るので、島内に点在する宿に泊まるにしても案外使えるんじゃないのかという気はしたけれど。

宿は、船小屋が有名な屋那の松原の近くにあって、海沿いでものすごく景観が良い。今回はわりとお天気に恵まれたので夕日も朝日も両方綺麗だった。


食事すごく良かったけれども、カニシーズンなのにカニがなかったのだけは拍子抜けだった。ついてないなら別に頼めばよかった。そういえば、前に初夏に訪ねた時も岩牡蠣を食べようとおもって結局食べられなかったということもあり、どうも期待を裏切られがち。お魚もすごく美味しいのだけど、やっぱカニ食べたいじゃないですか。のどぐろも良かったけど。



ところで、隠岐の食べ物で特筆すべき点として、海藻がいちいちおいしい。海藻がそこまで好きな人そんなにいないと思うので、この海藻の美味しさをなかなか伝えることができない。でも海藻が美味しいということはそれを食べてる貝も当然美味しいし、おだしも良い。味付けの方向性は良いだしと良い塩で決まってて、すっきりしてる。隠岐のお酒もいろいろ飲み比べてみたけれど嫌な甘さもなく優しい米の味がするタイプのだった。料理を引き立てるお酒だと思う。

疲れがたまってたので食事食べてお酒呑んだら即寝落ちしてしまって朝まで完全に熟睡してた。広めの海が見える部屋に一人で寝るのは理想に近い就寝環境だと思う。年に1度ぐらいはこれやりたい。


これは、翌日行った壇鏡の滝。鬱蒼とした杉に囲まれて良い水の気が漂うすばらしいスポットだった。本殿は焼失してしまって質素な建物しか残っておらず、シーズンオフとあって参拝客はほとんどいない。そして、清冽な滝の水が霧のように漂っている。

その後、水若酢神社と、玉若酢神社にお参りした。ここに祀られている神様もあまり由来がわかっていないらしい。おそらく隠岐を開拓した古代の神様なのではないかとのこと。

これは、玉若酢神社の八百杉。むっちゃ強い御神木だった。

お昼には「りょうば」さんで海鮮丼また食べようかと思ったけれど、タクシーの運転手さんに聞いたら和食の「味の蔵」さんをすすめてくれたので、そちらにした。

ところで、タクシーの運転手さん、大昔は京都のヤサカタクシーで働いてたらしい。あと、この間まで滋賀の病院に通ってたとか言ってた。隠岐は伊丹への直行便あって利用促進のために島民割引があるので、わりと京阪神に出ることが多いとのこと。

tabelog.com

ここではお刺身と天ぷらと両方食べられるおまかせ定食、さらにまた日本酒3酒飲み比べ。珍味がつくというので、よくある瓶詰めの何かかと思ったら、なまこを三杯酢と大根おろしで和えて海苔をちらしたものだった。この海苔が良い風味づけになってて、なまこもエグみのようなものがなく甘い。何気ない一品だけどすごいハイクオリティだった。やっぱり魚介類の「介」のほうに強みがある地域だと思う。


ここで気づいたのだけれど、隠岐に滞在中、工場生産の食べ物を食べていない。島だし、物流考えてもどうしても本土から運ばれるものより地元で作られたものを食べることになるのは当然だけども、コンビニがなかったし、ボートプラザにも空港にも宿にも軽くつまめる何かを売ってるような売店がなかった。(島民向けにはドラッグストアがその代わりの位置を担ってると思う。パンとかお菓子や飲み物の類はドラッグストアに売られていた。今回はドラッグストア行かなかった)

お土産を見ても、海藻とか塩とか魚介類、あと米と牛肉製品(レトルトカレーは結構売られていた)。島の文化としてあまり加工食品工業が発展しなかったのかなという気がする。懐かしいバタークリームのケーキが売られていて嬉しくなってしまったので買った。


面白かったのでまた行きたい。今度はボートプラザ近くに泊まってレンタサイクルでも借りてフラフラしようかという気持ち。宿の予算を下げて、その分カニとか牡蠣とか食べたい。路地に見つけた面白そうなバーにも行ってみたい。人を選ぶ場所だと思うので、たぶんまたシーズンオフ、単独行になりそうだけど。


しかし、離島の空港にE170、抜群に映えるよね!