咎もなく誉もない日々

そうでない人がそれなりにやっていくブログ

ITM-KIJ往復、そしてきらきらうえつリベンジ

春に羽越本線の快速「きらきらうえつ」に乗りに行ったところ、中条駅手前ぐらいで車体故障のため運行中止になり結局代行バスで酒田に行くことになったという顛末があり、ラストランまで3ヶ月だしリベンジのために週末また出かけてきた。

さすがにそんなに何度も止まるものではないけど、ちょうど2週間前に地震が発生したりで不穏さは否めなかった。車窓から見てると、府屋あたりからあつみ温泉あたりまでの海岸沿い、瓦が落ちてブルーシート貼ってる家が目立つ。あの辺りはちょっとした倉庫とかも立派な瓦葺き屋根でかっこいいんだけど、あれは地震になると頭が重い分ダメージ大きいんよね。大きい被害はなさそうではあったけど。

今回は予定通り完走。酒田についたらお昼すぎで、前回に引き続いて今回もフレンチの名店に訪問。
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こちらのお店も駅前の再開発に伴い一旦休業することが決まっている。ピカソとかフジタとかかかってて、グランドピアノがあり、全体の調度は昭和っぽいベル・エポック風にまとまってて懐かしくチャーミングなお店だった。


この懐石風のオードブルに、食前酒として初孫(大吟醸を長期熟成させた限定品)をあわせる。どっしりしたボディがあって確かにフレンチ向け。甘くない食前酒として優秀だと思う。

ガサエビのスープが、坂角のゆかりを液状化したようなエビそのものって味だった。そんなの白ワインをデキャンタで頼まざるを得ない。そしてメイン。庄内は魚も肉もすごいんだけど、野菜も強い。ちょうど夏場なのでラタトゥイユ風のソースが白身魚にかかっており、そのソースが異次元の旨味。

デザートまでうまうまと完食してしまった。果物どころなのでデザートも強いのだ。庄内の食の底力。

来年あたりたぶん再開されると思うけど、今後もなにか良いことがあったらコースを張り込みたい店。今回もちょっとしたお祝いという名目で使った。それにふさわしいちょうどよい格式高さがある。

このお店はこの本に出てくる。山口瞳が前夜親戚の結納式で飲みすぎて二日酔いでコンディション最悪状態で3日間フレンチの饗応に苦しむエピソードなのだけど、私も今回は出かける前日に連れの家にあった斎彌酒造「美酒の設計」を「こんなけしからん酒を少し残すとか中途半端なことをしてはいけない全部飲むぞ」とかいいながら、うっかり飲みすぎてしまって、やはりコンディションはひどかった。それにもかかわらず調子にのってランチで白ワインを飲みすぎてしまい、宿にチェックインした後夕方まで爆睡。宿をレストランの上階のホテルにしておいてよかった。外は雨だったから特にどこかにでかけるのも大変だったから仕方ないとはいえ、少しもったいなくもある。

夕方起きたら少し元気になっていた気がしたけど、1軒目で飲み始めてビールが喉を通らないのだった。山口瞳の呪いだと思う。単なる呑みすぎだとも言う。最初からペース配分を間違えている。


ここは、もともと角打ちで本来なら良いお酒がいただけるところ。食べ物は、厚揚げとゲソ揚げをセットにしたのが名物らしく、カウンターに溜まってる常連たちは全員セット頼んでる。あとレモンサワー。私もレモンサワーにしたらよかった。連れの頼んだ日本酒をちみっともらいながら「これはあかん」と、途中のコンビニで液キャベ仕入れて飲み、少しすっきりしたとこで、本番の2軒めに向かう。
貮番丁
〒998-0045 山形県酒田市二番町3-22
2,500円(平均)

道中、前回訪れた日本酒バーの前を通ったら潰れていた。3軒目はあそこに行こうと心づもりしてたので、前を通ってよかったとも言える。飲んだ後に一生懸命歩いて向かって潰れてたらダメージが大きい。

今は、ちょうど岩牡蠣の美味しいシーズンであり、弐番丁は店主の目利きがしっかりしてるのもわかってるので、久村の酒場ではあえて岩牡蠣食べなかった。以前、牡蠣にあたってるので、あまり量を食べてはいけないと思っている。1日1個まで。やっぱり間違いなく美味しかったので満足。あとはとうもろこしのかき揚げも甘くて香ばしくてよろしかった。昼間にル・ポットフーに行った話をしたら「ガサエビのスープは食べたか」と聞かれる。やっぱりあれは間違いのない逸品なのだった。ガサエビはエビというよりシャコに近いものらしく、鮮度が落ちやすく外に出せないらしい。酒田で食べるべき珍味と言えるかも。港町にはだいたいそういうのがある。

結局、話して飲んでるうちにかなりベロベロになって宿まで戻ってきた。もう1軒行きたい気分であったけど、酒田の夜は早いので11時だと駅前はほぼ消灯されてて宿に戻ったら気力が切れた。

案の定、翌朝の体調はやっぱり山口瞳状態になっていて、でも、朝ごはんは絶対美味しいにきまっていると踏んだので頑張って起きて珍しく朝粥なんか食べる。東北の朝ごはんバイキングはだいたい当地の名物のしょっぱいものがいろいろあり、今回は塩納豆がおかゆに合ってよかった。チェックイン直前まで横になってたら多少元気になってきた。おかゆは消化に良い。

天気予報は雨ではあるけど、雲は薄く、なんとかなりそうだったので駅でレンタサイクルを借りた。まず飯盛山公園を目指す。前に土門拳記念館に来た時に公園の植栽が全部あじさいであることに気づいていて、梅雨時に行ってみたいと思ってたので。


ちょうど見頃でよかった。

その後、そろそろお昼だし、小腹も減ったので酒田といえばのラーメン食べましょうということに。今回は、はじめての「照月」さん。
tabelog.com
弐番丁の店主が言うには、最近の酒田ラーメンは、本来の酒田ラーメンに比べて味が濃くなっている傾向があってそういうのはあんまり感心しないということだった。確かな舌の持ち主はラーメンについてだいたいそういう好みを持っている。

たしかに、京都とかのこってりラーメンに比べたらあっさりではあるけど、こことか、この間の花鳥風月さんとか新し目のお店は煮干し一辺倒ではない濃いめのだしを使ってる。私はアホ舌なのか、昔ながらの煮干しすっきり醤油より断然そういうのが好きで邪道と言われてもそっちがいいかな。かなり気に入った。薄くてしっぽの長いワンタンは肉が凝縮されてて、太麺がプルプルだった。小盛りにしてもらえるのもうれしい。コンディション悪くても完食できた。

電車まで1時間半ぐらいあったので、さらに港まで向かう。飛島行きの船が出港するのを眺めながら、港の海産物屋さんで買ったウニと岩牡蠣。2つで900円。このへんの岩牡蠣は吹浦のが入ってる。

岩牡蠣は小ぶりのだったけど文句なく美味しい。ウニはちょっと痩せてたかな。元気だったらちょっとビールとか飲みたいところ。元気じゃないのでお茶です。

酒田のレンタサイクルは無料で、駅や主要な観光施設などどこでも借りて乗り捨てたりできて便利。街の規模として徒歩だとしんどくてバスの便はあまりよくないので自転車が最適だと思う。
sakata-kankou.com

今回のコースはだいたいこういう感じのルートで、12.4kmぐらい走ったとのこと。
latlonglab.yahoo.co.jp


帰りはいなほで新潟まで向かい、そこから飛行機。酒田駅では引退も近いチハ47たんがいて可愛かった。

帰りの飛行機がすでに着陸チャレンジ状態となっているうえに機材到着の大幅遅れで出発が30分遅れ。日曜の夜のKIJ-ITMはもれなく遅れてる気がする。
結果、着陸ガチャには勝ったけど、帰りのリムジンバスには乗れずモノレールと阪急を乗り継いで帰ってきた。