美STの炎上してるあの最悪の特集への言及から「ブルーベース=抜けるような北欧系色白 / イエローベース=アジア系色黒」って誤った思い込みが一部にあり、さらにそこから「自称ブルベうざい」みたいな風評被害があるのを知りました。これ、けっこうひどい話だと思う。
私の周囲で抜けるような色白の人はだいたいイエベで、ブルベ民はどっちかというとくすみやすい傾向があるような。
さらに、ブルベって、今のトレンド、すなわち、可愛らしいコーラル系愛されメイク、綺麗なビタミンカラー、おしゃれなアースカラー、ゴージャスなゴールドにテラコッタ、そういうメイクや服やアクセサリーが、今ひとつしっくりこない。雑誌で見るとすごくおしゃれなのに、自分はどうも垢抜けない、という悩みを持ちがちなのだ。その原因として、肌の手入れが足りないのか、顔立ちがダメなのか、あるいはちょっと小太りなのが悪いのか、いずれにしても自分が悪いんじゃないかと思ったりしてる。
そんな悩める人々が、カラー診断を受けてはじめて「なるほど、その手の色は鬼門だったのか!」と腑に落ちて、安心して「私ブルベだったんだ…」ってなってると思う。別にマウンティングしたくてわざわざ自称してるわけではない。純粋に腑に落ちているだけなのですよ。「流行りの色が似合わないのは自分が悪いわけでなくて、カラーグループが違ったからだったんだ!」って。
特に、今は、パステルカラーは媚びてる、ビビッドカラーは派手でモテない、そう言われがちな風潮もある。だから、似合うものにアクセスできず、仕方なくモノトーンの世界に生きていたりする人も多いと思う。特にサマー。
思うに「もともと、モノトーンにビビッドな差し色が好きで、だいたいそういう格好してると褒められてたけど、やっぱりウインターだったわ」って人はわりと見かけるけど「もともとピンク大好き♡ 診断受けたらサマーだったから嬉しい!」みたいな人はあんまり見かけない。だいたいみんな戸惑ってる傾向がある。私も今でこそ「ピンクが好きな人」として認知されてるけど、性格的にピンクやパステルは避けて生きてたほうなので最初はびっくりした。
で、そんな青みの民にとって、カラー診断を受け、カラースウォッチ一式を渡されることが、無理だと思ってた無限の色にアクセスするきっかけになってる。身につけるうちにその系統の色合いに愛着もわいてくるし、褒められることも増えて毎日気分良く暮らせるし、自信をもって服を選べるようになる。
だから、色白だの色黒だのそんな妙なマウンティングのためではないし、似合う服を押し付けられたり選択肢を狭めるものでもない、性格診断とかまったく関係ない、単に、むしろ気づいてなかった選択肢を見つけるものなので、変な風評は広がってほしくないなあと思うのでした。
(とはいえ、カラー診断やってるアナリストの中には、独自理論で「ウインターの人って、こういう性格なのよねー」とか言っちゃったり、独自理論でカラーコーディネイト一式押し付ける人もいたり、骨格診断なんか「胎内でこういう人生を望んだからこの骨格になってる」とか謎のスピリチュアル理論を打ち出す人もいるので、あれはどうにかしてほしいとは思う。そういうタイプの人がエンジニアになったら「選ぶエディタで性格がわかる」とか言い出しかねない)
さらに、メイクアイテムの場合、根強く「青み色は日本人には似合わない、肌から浮く、バブルっぽい」って思い込みがあると思う。メイク入門記事にも普通に書いてあるし、「コーラルとアプリコットしか使うな」って言い切るアーティストもいる。でも、それがどれだけのブルベ民を似合う色から遠ざけていることか。メイクアイテムの場合は、服とは違って肌を完全に覆い隠さない透明色なので、たとえ見た目が青みピンクであっても、ブルベ肌に乗せるとイエベにおけるコーラルやアプリコットのように自然に馴染むことも多い。
バブル時代、ディオールのルージュに475番のtibetって色があり、たいそうヒットしたのを思い出す。青みピンクに青の偏光パールという色で「日本人には似合わないのにブームに乗って塗ってて見苦しい」ってバカにされたものですが、実際塗ると、案外透け感のある発色だったしナチュラルで華やかなピンクに仕上がり重宝したものです。そう思ってたブルベの人も多かったんじゃないかしら。
で、表題に戻るけど、アフターグローリップバームの質感はすごく好きなのに、色が orgasmとクリアしかなかったのです。バームだから薄付きで似合わないということはないけれど、どうしてもorgasmのペカっとしたゴールドパールの光沢とは相性悪くて色が増えるのを待ち望んでたところ、この春に4色追加されたんですよ。で、ブルベに似合いそうなのがそのうち3色。ローズモーヴと、ピンクと、ラズベリー。私は色付きリップバームに血色を求めるので3427番のラズベリーを予約してました。
まあ、これが最高で、潤いがそこまで長持ちするタイプではないんですが、唇自体のコンディションをあげてくれるのか、落とした後の唇がしょんぼりしぼんだ感じじゃないのが良い。前から思ってたけど、リップクリームって高いのを買っても損しないアイテムだと思う。値段相応の効果が認められるというか。
見た目は濃いピンクですが、薄付きなので血色をいい感じにプラスしてくれるし、ブルベ特有の事情として、青みピンクが青く発色しないので、普通にナチュラルな血色ピンクに仕上がる。あと、テカテカした人工的なツヤでないのも助かる。クラランスのリップオイルのツヤ感が最近浮いて見えるようになって困ってたので。
そして、このメタリックピンクのパケがすごい可愛くて気分あがる。複数色持っても外から何色かわかるの親切。(ただし撮影するといろんなものが映り込むのですごく難しい)
今期、国産ブランドがこぞってイエベブルベ言ってるの、なんだかなあと思ってる人もいるかも知れないけど、カラー系統が均等に展開されるのはいろいろ助かる。だって、オペラのリップティントは評判がいいけど6色展開のうち青みのあるのは1色だけ、キャンメイクのバームも同様。そんな中ブルベ色が増えるのは嬉しい。各社追随してほしいっすという話でした。