咎もなく誉もない日々

そうでない人がそれなりにやっていくブログ

ITM-TJH そして城崎温泉

JACは鹿児島からの離島便が本拠地だけど伊丹から但馬の便もある。前にプロペラ機に乗って体験良かったので、修行がてら日帰りで但馬行って城崎で湯巡りして但馬牛でも食べようということにした。これで24reg、回数修行は50回が目標なので3月で折返し手前まで行くということになる。なかなか順調。

伊丹を出発した時点では曇ってたけど、着陸前、雲を抜けたところで久美浜湾の見事な景観が見えた。このあたりは海からすぐ山地になってて、なだらかな低山を眺めながら着陸することになる。馴染みの北陸から東北にかけてとはまた違う雰囲気の地形だ。

空港はとても小さいけど荷物はベルトコンベアで出てくるので沖永良部島の空港よりは少し強い。ここの空港は伊丹と1日2往復だけで、大阪からなら車や電車でもさほど遠くはないのにと思うけど、伊丹との便で実績を作って羽田便を誘致したいという野望があるらしい。

豊岡市街から城崎温泉に向かうバスに乗った。これは空港シャトルバスではなく普通の路線バス。途中豊岡駅前を抜けた。商店街はとても長いのにわりとシャッターが目立ち寂れていることは否めない。ところが城崎温泉についたら、思いの外賑わっていた。けっこういろんな温泉地に行ったけど、有名所でもわりと寂れてしまっているところが多くて、特に、日本海側は厳しいという印象があったから、城崎もそんな感じかと思ってたら、ちゃんと経済が回ってた。

しかも、マスプロダクト的な大きいホテルとかが市街地にはあんまりなくて(ちょっとはずれるとある)、昔ながらの旅館がちゃんと生き残っているのだ。客層も、卒業旅行らしい若い子のグループ、家族連れ、中高年のグループ、外国人のグループ、カップル、1人旅らしき人、非常にバラエティに富んでいる(おそらく修行民も混ざっている)

そもそも「温泉、カニ、但馬牛」って、単純明快なセールスポイントは関西人にすごく刺さる。有馬や箕面は通勤圏内で気分が出ないし、もうちょっと気楽に旅気分を味わうのにもっとも手近な温泉地として城崎の距離感はなかなか手頃なんだと思う。

駅から降りたらもう温泉地で、だいたい歩いていたらどこに何があるのかわかる。迷うことがない。たいていの街は難しいんだけど、城崎はすごくシンプル。こんな明快な観光地初めてかもしれない。どこで何をすればいいのかというアクティヴィティもわかりやすい。

歩く、目についた温泉に入って1日フリーパス買う。目についた店でビールとか飲む、肉まんとかジェラートとかつまむ、また温泉入る、ロープウェイ乗る、そんな感じで気まぐれに遊べる。新しくてキレイなお店と、レトロなお店が混ざってて、誰が来ても楽しめる感じ。

どの街でも「町並みを散策しよう」って観光事業者側は軽々しく言うけど、実際に散策に最適な街を設計することに成功している事例はさほど多くないと思う。城崎はそこがわりと本気。

城崎は、もともと、外湯(公衆浴場)に優先的にお湯を割り当ててて、旅館の内湯に湯量制限があるらしい。だからまちなかの旅館には大きい浴場がなくて、必然的に外湯を巡ってくださいということになる。そうなると、ついでに街のお店で食べ歩きするとか、ちょっとお土産屋を覗くとかそういう行動が増える。あと豊岡鞄のお店もわりとある。店頭に生ビールのタップがあるのでつられて店に入ったら鞄屋さん併設のカフェ「Creezan」だった。
https://www.instagram.com/p/BvQlO6rAULl/
http://shop.creezan.com/shop.creezan.com

豊岡鞄、ぶっちゃけ興味なかったんだけど、実物を見るとモノがよくって男持ちの鞄としてはすごい良い選択だと思った。そこまでファッションにこだわりなさげなおっさんが海外の有名ブランドロゴがくっついた鞄持ってるの無粋だと思うんだけど、合皮の安物ってのも惨めな感じするし、こういうのがちょうどいいと思う。オールレザーはそれなりの値段するけど、レザーと帆布、レザーとナイロンの組み合わせは軽くて丈夫でコスパも良い。おっさんにお土産にしようかと思ったけど、好みもあるだろうからまた今度ということにした。

外湯メインで街がコンパクトだから京阪神からなら日帰りでも十分遊べる。でも、カニとか但馬牛とかあるから泊まるモチベーションがないわけじゃない。1泊するなら兵庫県北部の見どころを巡るバス「たじまわる」も出てるので、初日はバスで観光して夕方チェックイン、泊まった翌日の夕方まで湯巡りというプランもある。そのへんの動線がすごく明快。

コンビニや標識のカラーリングも景観を意識したものになっていて、これはミシュラン・グリーンガイドで星をとったのも影響してそう。ミシュランって見る側からはあんまり意味はないけど、星をつけられてしまうとなかなか世界観を崩すことできなくなると思う。面白い。

さて、一の湯入って、ロープウェイ乗って、ビール飲んでのんびりしてたら、乗るはずだった帰りの飛行機の欠航通知がきた。機材の手配ができなかったとのこと。整備不良とかそういうのだろうし、まあ整備で見落としがあって墜落しなくてよかったと思うことにする。仕方がないので帰りの方法を考えたけど、単純に、城崎温泉駅から特急「きのさき」が京都まで走ってる。二条に停車するので、そこから徒歩で帰れるのであった。指定席取っても5000円ちょいぐらい。なんのことはない、そっちのほうがすごい便利で安い。さっさとネットでチケット買って、引き続き湯巡りとなった。但馬便でよかった。これが屋久島便だったら帰れない。後で知ったけど、但馬大阪便は欠航になると代行バスが運転されるらしい。

次に入った御所の湯は、かなり格式の高い古い温泉の調度や木材を活かしてかっこよくリノベしてあって好きな感じだった。7つの外湯にはそれぞれご利益が設定されてるらしく、これは美人の湯、良縁成就の湯、火除防災の湯らしい。全部大事、特に炎上は避けたいので念入りに入った。今月の間に月岡温泉と合わせて都合2回美人の湯に入ったので超美人になってるはず。

だんだん湯あたりしてきた感じになり、最後は駅前の「さとの湯」。ここが一番現代的。広くてキレイではあるけど、地方の道の駅に併設されてそうな感じではある。サウナも複数あって、展望風呂もある。ゆっくり入ってサウナにも入って、けっこうのんびりした。

飛行機に乗る時は、万が一の時に酸素マスクつけたり救命胴衣つけたりしないといけないから、どうもお酒を飲もうという気持ちにならないんだけど、電車は俄然お酒飲みたくなる。カニちまきと牛肉ちまきを相手にハイボール飲んでるうちにいつのまにか寝てて、気づいたら園部だった。あっという間。24regのはずが23regでストップしたけど、総じて良い休日だった。