二桁万人規模の酔っぱらいが集結して日本酒を試飲しまくる「コミケを酔っ払いだけにしたやつ」と名高いイベント「にいがた酒の陣」があるので、3/8の金曜日から乗り込もうとわりと早めに飛行機の手配をしてあったところ、ちょうどその夜に東京でユーフォのオールナイトイベントが発生してしまいユーフォおじさん不在。ならば初日は一人で温泉にでも泊まるかということにした。
そういうことならば、どうせなら良い宿に泊まりたい。いろいろ調べてたところ、美人の湯として有名な月岡温泉の「泉慶」さんで、夕食なしプラン1室だけ空きがあったのでしゅっと予約した。これが赤坂のしょぼいビジホ素泊まりより安いのでほんとにお金の価値よくわからない。
予想以上に良い宿で、ロビーや渡り廊下に書画骨董(本物)がずらっと並んでいて、むちゃくちゃ広くてゴージャス、バブル期なんかはさぞかし栄えていたことなのだろうと思う。オフィシャルサイトも美しく作り込まれている。
広いロビー。
水回りなど設備に年季は入っているがその分広い客室。
しかし、目の前の大きめな宿は廃業しており厳しさを感じた。
食事は頼まなかったので、チェックインしてすぐにお風呂に行ったら、ちょうど団体さんのお食事タイムだったようで、まったく空っぽで貸し切りだった。むちゃくちゃ広い温泉で一人きりなの、すごい体験だった。王侯貴族のようだ。
まあ、温泉宿としては料理やお酒でお金使ったほうが良いだろうけど、一人で会席料理というのもちょっと落ち着かないし仕方ない。岩室のゆもとやさんは食泊分離ってプランやってるけど、ああいう感じで旅館としても儲かり地域も盛り上がる感じで健全にお金使えるプランあるといいなって思う。(宿が廃業しているのを見るとなおさらそう思う)
月岡温泉は豊栄駅からも月岡駅からもわりと遠いので、豊栄駅からのシャトルバスか自家用車で行くしかないけど、シャトルバスの本数が少ないので、わりと不便。岩室と同様、空港からは二次交通タクシーがあるんだけど、この手の地元有名温泉って地元民需要のほうが大きいのだからむしろ新潟駅からのシャトル便を出したほうが需要掘り起こせるんじゃないかと思う。地元の温泉って近郊の人の間ではローカルテレビのCMとかで知名度は定着してて潜在的に行きたいと思ってることが多いし、それに乗っかったほうがよくないかしらとかいろいろ考えるところがあった。そういえば京都駅から有馬温泉までバスが開通したので娘と行こうという話をしていたのだった。
翌朝、食事の後、朝風呂入ったら、また団体客とは入れ違いになってたらしく、脱衣場には人がいたけど、お風呂は貸し切りだった。泉質は硫黄の強い綺麗なグリーンだけど、立派な宿らしくきれいにろ過されて油膜はなし。宿によっては源泉かけ流しでがっつり油膜!硫黄!って感じらしいので、そういうのにも入ってみたい。総評としてはまた行きたい。
帰りはシャトルバスで豊栄駅までむかい、そこから新潟交通バス大形線で万代シテイまで直行することにした。バスは古めの車体で、座席脇になんか謎の物置スペースみたいのがある。古い街道沿いをくねくねと走る感じで電車とは違う楽しさがある路線だった。乗り通して満足感高い。
万代シテイバスターミナルについたら、カレー前が大行列だった。会場行のバスに乗ったところ「行列の最後尾が朱鷺メッセより手前の柳都大橋のあたりなので、そこで降りたほうが良い」とのレコメンドがあり、やばいことになっていると察した。
並んでみたら、折返しポイントが2つぐらいある列が発生しており、おそらく1kmぐらいの長さで、遠くから見ると人がマステのようだった。あるいは出エジプト記。そして、こいつら全部日本酒を呑みに行くのである。ちょっとおかしい。
列は長かったものの、流れはスムーズだし気候もよかった(新潟には珍しい快晴だった)。80分待ちと言われて怖気づいてたところ30分ぐらいで入場できた。
入場した時点で1時ぐらい、開始2時間経過したところ。しかしとにかく人が多く、この時点で試飲どころではなくブルーシート敷いて酒瓶を林立させてすっかり出来上がっている人々が発生している。(場所取りはだめっ酒と言われてはいるが有名無実である)みんなが酔っぱらいなので謎の秩序と譲り合いが発生しておりある意味では治安がいいんだけど、酔っぱらいが多い時点でやはり普通に考えて治安は悪い。女子トイレで酔いつぶれているお姉さんが車椅子で運ばれていったり(2-3回見かけた)、いろいろ大変そうだった。
これは、便利アイテム「試飲用おちょこホルダー」。これをぶら下げてウロウロすると無限にお酒が呑める仕組み。みんなぶら下げてるし便利だと思って1000円出して買ったけど「活用できるシーンがないじゃん」と言われ、冷静に考えたら確かにおちょこ首からぶら下げて歩く必然性があるシーンはそんなにない。
試飲した中で美味しかったのをちらほら
- 頚城酒造さんの限定酒「花と雪」のYUKI
- もともとこの上越の蔵のファンなのですが、限定で出してるのを試飲させてもらったら、ほのかな酸味と香り、すっきりなめらかな味、主張が強すぎず非常に上品。ボトルもかわいかったので、しゅっと購入した。しかし、その後、なぜか行方不明になった(酔っぱらいはこれだから良くない)限定酒なのでもう飲めない。つらい。
- 小説「M」お酒と小説のコラボということで小説の方を買った。ハードボイルド仕立てでお酒づくりのことがわかる便利な小説とのこと。酒の陣で薄い本が売られているとは思わなかった。
www.kubiki-shuzo.co.jp
一推しなのでリンク貼っておこ。
- 菊水酒造さん、ふなぐちの樽酒
- いつものふなぐちだけど樽の香りがして祭りっぽかった
- 中川酒造さん「越の白雁 おりがらみ」
- これも酸味系なのかな?うちの晩酌に合いそうなので買った。無事持って帰ることができたのでよかった。
- 魚沼酒造さん「天神囃子 大吟醸」
- バナナ系の華やかな香りと甘み「いやーん♡すごいおいしい!(くねくね)」ってなったけどこれは買わなかった。こういうのを日常に飲むと身上潰してしまうと思うわ。
- 吉乃川さんの「SakeCafe ゆず酒」
- 女の子向けライト日本酒の中ではダントツな飲みやすさ。日本酒特有の「お父さん味」が一切なく、この手の製品にありがちな変な乳酸菌系の甘ったるさもなく、キレのある柚子の香りが素敵な一品。アルコール度数は7度。これは普通に買えるものなので会場では買わなかった。いつか娘に飲ませてみよう。食前酒によさそう。
- 番外編:麒麟山酒造さんの山水
- 最後こればっかり飲んでた。むちゃくちゃおいしすぎる仕込み水、完全に優勝だった。
一通り試飲して、お腹が空いたし食べ物も何か食べたいので、それに合わせるために竹田酒造店さんの「かたふね」本醸造の小さいボトルを買った。かたふねシリーズ全部試飲したけど、出店に並んでる食べ物の強めの味には本醸造のキレが合うと思った。テーブル、となりのおっちゃんグループもかたふね空けてて「わかってるおっちゃんだ」って思った。
飲んでるうちに曖昧になってきてたら、午後3時ごろになってオールナイト明けのバスで帰ってきた連れと合流できて、それまでに買ったお酒をリュックに入れてあげるって(やさしい!)言うので手ぶらになってさらに試飲してたら私のほうは「もう飲めない」ってなったので、さらに試飲しに行く連れを見送り、荷物番をしながら一人で水飲んでたら知らないおっちゃんに話しかけられてなんかめんどくさかったけど、連れが戻ってきたらどっかいったのでよかった(たよれる!)
しかし、その時にリュックに入れたはずのYUKIがないのは本当に釈然としない。もう言ってもしかたないので「無意識に全部開けてしまった」ということにしたいと思う。なにしろ曖昧だったのだ。ついでに今回の旅ではついた初日にお気に入りのカシミヤのマフラーもなくしている。どうして忘れ物とかなくしものをするのかと思う。
翌日、昼食にとんかつでも食べるか!ってとんかつ屋に言ったら、メニューの写真の大きさの1.2倍ぐらいの分量が出てきて2人で死にそうになりながら食べた。「ごはん余りそうだなー、食べてもらおうかなー」と思ってた矢先に連れがご飯のおかわりを頼んで「あー」ってなった。全部食べてくれたけど。
帰り、大阪の天候が荒れてて飛行機はむちゃくちゃ揺れた。飛行機、揺れると狭隘路線のバスに乗ってるみたいな感じになって面白い。エチオピアで離陸直後に飛行機が落ちてて怖かった。去年の秋投入されたばっかりのボーイング737の最新型らしい。ちょっと前にも落ちてたやつだ。この春にJTAに導入する予定あったらしいけどどうなったんだろ。
ついたら京都行きのバスは終わってたので、モノレールから阪急乗り換えでえっちらおっちら帰ってきた。
修行の進捗
ここでちょうど20reg、11148FOP(JALカードのボーナス込み)となりました。
5月末まであと12reg予約してあるし、たぶん達成できそう。
追記
金曜、宿に移動する前に EHクリエイターズのショップ行ってNao☆ちゃんおめでとう記帳してきた。壁画の様子です。
工事現場に貼ってある例のスポットも見てきた。